劣等感の引き金
外見によってなぜ劣等感なり不幸なりが引き起こされるか説明できるでしょうか。
少し前に人気のあったテレビ番組では、不幸とは実際には「容姿そのもの」からではなく他人から「いじめられること」によって生まれています。
他者の評価こそ劣等感や不幸の原因であるわけです。
容姿が原因であるかのような語られ方が説得力を持って受け取られているのです。
それは、「他者の評価は容姿によって決定している」ということが一般的に信じられているからにほかなりません。
学術的に、その信念を裏付けるような研究もあります。
社会心理学の分野における、美男美女が好まれるという心理機制を説明した対人魅力研究がそのいい例です。
K・ディオン、E・バーシェイド、E・ウォルスターらは対人魅力の実験を行い、ディオンらは外見の美しさが異なる男女の写真を大学生の男女に提示し、写真の人の性格や社会的成功を予測させました。
そうすると、美男美女はすべてにおいて好ましい評価を与えられたそうです。
しかもその後、ディオンたち以外の学者がさまざまな追試研究を行ったが、おおむねその結果と同じものであったといいます。